什器とは
店舗やオフィスで使用する陳列棚やパーテーションなどの器材全般を什器と言います。
簡単に言うと、店舗やオフィスで日常的に使う道具類全般をまとめて什器、と呼ぶと言っても良いかもしれません。細かく見ると、飲食店で使用する機器、例えばデシャップやレジ台、カウンター、テーブル、椅子、収納棚なども什器と言う事になりますし、オフィスでは、パーテーションはもちろん、椅子、テーブル、書庫、サイドワゴン、応接セットまで什器と言う事になります。
このカテゴライズで言うと、ご家庭で使う棚やテーブルも什器と言えますが、基本的に家庭のものは什器と呼ぶことは少なく、家具という言葉でまとめられています。もちろん、什器と呼んでも間違いではありませんし、辞書の中での什器の解説は「日常的に使用する家具・道具類」と書かれていますので、トータルして什器と言う言葉でまとめることもできます。
店舗に置くべき什器とその選び方
什器を選ぶ時は、まず、何をどれだけ置かれるか、どのように店内を使用されるか、を明確にする事から始めましょう。置かれる物のサイズと量はどの位あるのか。それを踏まえた上で物量からのサイズ、安全性を考慮した耐荷重、必要とする機能、店内に調和するデザイン等付加要素を付け加えて、什器の大きさや構造、仕上げ材などが決定されていきます。
そしてデザイン的に見ても店内における什器の役割は業態によっても差があります。飲食店でのテーブルはデザインとの調和、収納棚はアクセント、美容室のレジ台は店の顔、物販店の陳列棚は商品を際立たせる黒子、とその役割は業態、そのお店の方向性、全体から見るバランス等様々な要因から影響を受けて変わっていくので、トータル的に考える必要があります。
テーブル 椅子
店舗におけるテーブルや椅子の選び方は、空間のコンセプトや店舗の業態など様々な要素を組み入れて考える必要があります。極端にいうと、ハイカウンターに通常の高さの椅子を合わせては成り立ちませんし、お客様の再訪を妨げる原因になってしまいます。このテーブルや椅子の選び方一つで、お客様の滞在時間が変わりますし、客単価も変わってきます。ではどういった考え方をすれば良いのか・・・。
カフェを例に挙げて考えてみましょう。カフェの場合、立地も関係してきます。例えばオフィス街など人が多く行き交う場所の場合、ゆったりとくつろげるソファを置いてしまうと滞在時間が長くなり、席数・回転率が落ちてしまいます。そのため、ソファは限定的にし、通常の椅子を採用した方が多くのお客様に素早い接客が可能となり、お客様の要望にも応えられると考えられます。また、オフィス街では打ち合わせでの利用が多いと考えられ、ノート書きしたり、パソコンで簡単な作業を行う人も多いため、テーブルは標準的な高さ(700mm前後)の物を採用したほうが良いと考えられます。逆に、住宅街ではソファなどのくつろげる場所を設けて、会話を楽しめる雰囲気を作り滞在時間を長くするため、テーブルもソファに合わせた高さの物を採用してあげると良いでしょう。
テーブルのサイズは飲食店の業態によっても変化してきます。2人掛けのテーブルで考えた時には、カフェのような飲み物を中心に提供する場合は、500mm角でも十分ですし、居酒屋など、いくつもの料理が出てくる場合は、600mm~650mm角ぐらいで考えます。さらにコース料理など単価の高い飲食店の場合はゆったりできる大きさが必要ですから700mm角以上は欲しいところです。 このように、テーブルや椅子は業種・業態により選ぶポイントが変化してゆきます。必要としているものがどういった物なのかをよく考えて選びましょう!
◯照明
照明を選ぶには、まずは照明器具の種類から把握しましょう。
照明には、シーリングライト、ペンダントライト、ダウンライト、スポットライト、ブラケットライト、スタンドライト、テーブルライト(デスクライト)、シャンデリアが挙げられます。
<シーリングライト>
ご家庭で、主照明として用いられることが多く、部屋全体を照らすことができます。基本的には天井面に接している器具をシーリングライトと呼びます。
<ペンダントライト>
コードやチェーン、ワイヤーなどで天井からつりさげて使う照明。店舗ではカウンターに使ったり、各テーブルの上に配置することが多いです。
<ダウンライト>
天井に埋め込んで取付を行う照明。天井に埋め込むことで空間を広く見せることができるメリットがあります。飲食店では基本照明として使われていたり、演出照明として使われている場合もあります。
<スポットライト>
壁面の絵画や装飾になど、強調したい場所に光を当てるために使う照明。ダクトレールを取り付けて複数のスポットライトを配置する場合もあります。
<ブラケットライト>
壁面や柱に取り付ける照明。補助照明として用いられることがほとんどで、空間にアクセントを付ける際にも用いられることが多い照明。
<スタンドライト>
床に置いて動かすことができる自立式の照明。必要な場所に光を動かすことができますので、テーブルの横や部屋のコーナーに置いて部屋の演出をすることが可能です。
<テーブルライト>
テーブルの上に置いて、手元を明るく照らすための照明。
<シャンデリア>
ペンダントライトの一種で、装飾性が高く華やかなイメージの照明。高級感を演出することができる為、単価の高い飲食店舗で用いられることが多い。
簡単に上げても照明器具にはこれだけの種類があり、どの照明器具を用いるかはその空間により大きく異なります。また、それぞれに使われている灯りの種類もありますから、空間のコンセプトに合わせてそれらを選ぶことも忘れることはできません。店舗を作る際は、設計段階で照明に関する提案がなされるはずなので心配はありませんが、その後ご自分で照明を追加するなどを考える場合は、他の照明の特性を十分に考慮して選ぶようにしましょう。